ただひとり寝れど寝かねて白栲の
袖を笠に着濡れつつぞ来し
- 歌の意味
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ただひとりで寝ようとしたが寝つけなくて、白い袖を笠の代わりにかぶり、濡れながらやって来たのだ。
- 鑑賞
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巻第十二 問答歌 3123
詞書は前の歌に続き「問答の歌」
ひとりで寝つけず、白い袖を笠代わりにして雨に濡れながら恋人のもとへやって来たと歌う男の歌である。次歌の女の答えと一組の問答をなしている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「ただひとり」は、ただひとりで、の意である。
二句「寝れど寝かねて」は、寝ようとしても寝つけなくて、の意である。
三句「白栲の」は、「袖」にかかる枕詞である。
四句「袖を笠に着」は、袖を笠の代わりにかぶって、の意である。
結句「濡れつつぞ来し」は、濡れながらやって来た、の意で、「ぞ」は連体形「し」で結ぶ。本巻の第三千百二十六首も同じ結句で結ばれている。
しろたへ:楮などの繊維で織った白い布、「衣」「袖」にかかる枕詞
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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心なき雨にもあるか人目守り 乏しき妹に今日だに逢はむを
- 次の歌
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雨も降り夜も更けにけり今さらに 君去なめやも紐解き設けな