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巻向の穴師の山に雲居つつ
雨は降れども濡れつつぞ来し

歌の意味
巻向の穴師の山に雲がかかり続け、雨は降っているけれど、濡れながらやって来たのだ。
鑑賞
巻第十二 問答歌 3126

詞書は前の歌に続き「問答の歌」
 巻向の穴師山に雲がかかり雨が降っているのに、濡れながらやって来たと、前歌の問いに答える男の歌である。本巻の第三千百二十三首と同じ結句で、雨をおして訪れる男の誠意を示し、問答歌の部を結んでいる。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「巻向の」は、奈良県桜井市の巻向のあたりをいう。
 二句「穴師の山に」は、巻向にある穴師山に、の意である。
 三句「雲居つつ」は、雲がかかり続けて、の意である。
 四句「雨は降れども」は、雨は降っているけれども、の意である。
 結句「濡れつつぞ来し」は、濡れながらやって来た、の意で、本巻の第三千百二十三首と同じ結句である。

くもゐる:雲がかかる
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
ひさかたの雨の降る日を我が門に 蓑笠着ずて来る人や誰れ
次の歌
度会の大川の辺の若久木 我が久ならば妹恋ひむかも