我妹子を夢に見え来と大和道の
渡り瀬ごとに手向けぞ我がする
- 歌の意味
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いとしい妻が夢に見えてくれるようにと、大和への道の渡り瀬ごとに、私は神に手向けをしている。
- 鑑賞
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巻第十二 羇旅発思 3128
詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
旅の途中、大和への道の渡り瀬ごとに、妻が夢に現れるよう神に手向けをすると歌う。旅の安全を祈る手向けに、妻への思いを託している。
作者の柿本人麻呂は、持統天皇、文武天皇の朝廷に仕えた宮廷歌人である。本歌は左注により柿本人麻呂歌集から採られた歌とわかるが、人麻呂自身の作か、人麻呂が書き留めた歌かについては説が分かれる。
初句「我妹子を」は、いとしい妻を、の意である。
二句「夢に見え来と」は、夢に見えてくれるようにと、の意である。
三句「大和道の」は、大和へ向かう道の、の意である。
四句「渡り瀬ごとに」は、川を渡る浅瀬ごとに、の意である。
結句「手向けぞ我がする」は、私は神に手向けをしている、の意で、「ぞ」は連体形「する」で結ぶ。本巻の第二千八百五十六首も手向けを詠んでいる。
わたりぜ:川を渡る浅瀬
たむけ:神に幣などを供えて祈ること
- 作者
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柿本人麻呂歌集
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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度会の大川の辺の若久木 我が久ならば妹恋ひむかも
- 次の歌
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桜花咲きかも散ると見るまでに 誰れかもここに見えて散り行く