古典和歌stream

月変へて君をば見むと思へかも
日も変へずして恋の繁けむ

歌の意味
月が改まってからあなたに逢おうと思っているからだろうか、日も改まらないうちから、恋しさが募るのは。
鑑賞
巻第十二 羇旅発思 3131

詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
 月が改まってから逢おうと思っているためか、日も改まらないうちから恋しさが募ると歌う。月と日という時の単位を対比して、待つ時間の長さに比べて恋しさの募る早さを表している。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「月変へて」は、月が改まってから、の意である。
 二句「君をば見むと」は、あなたに逢おうと、の意である。
 三句「思へかも」は、思っているからだろうか、の意で、「かも」は疑問を表し、結句の「む」と呼応する。
 四句「日も変へずして」は、日も改まらないうちから、の意で、初句の「月変へて」と対をなす。
 結句「恋の繁けむ」は、恋しさが募るのだろう、の意である。

かふ:変える、改める
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
豊国の企救の浜松ねもころに 何しか妹に相言ひそめけむ
次の歌
な行きそと帰りも来やとかへり見に 行けど帰らず道の長手を