な行きそと帰りも来やとかへり見に
行けど帰らず道の長手を
- 歌の意味
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行かないでと引き返してくるかと、振り返り振り返り行くけれど、戻ることはない。長い道のりを。
- 鑑賞
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巻第十二 羇旅発思 3132
詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
呼び止められて引き返すことになるかと、振り返り振り返り旅立つが、結局戻ることなく長い道を行くと歌う。「帰り」「かへり見」「帰らず」と同じ音を重ね、未練を残して旅立つ心を表している。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「な行きそと」は、行かないでと、の意で、「な…そ」は禁止を表す。
二句「帰りも来やと」は、呼び止められて引き返してくるかと、の意である。
三句「かへり見に」は、振り返り見ながら、の意である。
四句「行けど帰らず」は、行くけれど戻ることはない、の意である。
結句「道の長手を」は、長い道のりを、の意で、倒置によって旅の道の遠さを印象づけている。
かへりみる:振り返って見る
ながて:長い道のり
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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月変へて君をば見むと思へかも 日も変へずして恋の繁けむ
- 次の歌
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旅にして妹を思ひ出でいちしろく 人の知るべく嘆きせむかも