里離り遠くあらなくに草枕
旅とし思へばなほ恋ひにけり
- 歌の意味
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里を離れてそれほど遠くもないのに、旅だと思うと、やはり恋しくなってしまった。
- 鑑賞
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巻第十二 羇旅発思 3134
詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
里からそれほど遠く離れていないのに、旅だと思うとやはり恋しくなると歌う。距離の近さにもかかわらず、旅という意識が恋しさをかき立てる心理を率直に述べている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「里離り」は、里を離れて、の意である。
二句「遠くあらなくに」は、遠くもないのに、の意である。
三句「草枕」は、草を結んで枕とすることから「旅」にかかる枕詞である。
四句「旅とし思へば」は、旅だと思うと、の意で、「し」は強意である。
結句「なほ恋ひにけり」は、やはり恋しくなってしまった、の意で、本巻の第二千八百四十五首第三千六十二首と同じ結句である。
さかる:離れる、遠ざかる
くさまくら:「旅」にかかる枕詞
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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旅にして妹を思ひ出でいちしろく 人の知るべく嘆きせむかも
- 次の歌
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近くあれば名のみも聞きて慰めつ 今夜ゆ恋のいやまさりなむ