年も経ず帰り来なむと朝影に
待つらむ妹し面影に見ゆ
- 歌の意味
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一年も経たないうちに帰ってくるだろうと、朝の影のようにやせ細って待っているであろう妻の姿が、面影に見える。
- 鑑賞
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巻第十二 羇旅発思 3138
詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
一年も経たないうちに帰ってくると信じて、やせ細るほど待っているであろう妻の姿が面影に浮かぶと歌う。前歌に続いて面影を詠み込み、家で待つ妻を思いやる心を述べている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「年も経ず」は、一年も経たないうちに、の意である。
二句「帰り来なむと」は、帰ってくるだろうと、の意である。
三句「朝影に」は、朝の光に映る細い影のように、の意で、やせ細るさまをいう。本巻の第三千八十五首にも同じ語が見える。
四句「待つらむ妹し」は、待っているであろう妻が、の意で、「し」は強意である。
結句「面影に見ゆ」は、面影に見える、の意で、前歌に続いて面影を詠み込んでいる。
あさかげ:朝の光に映る細長い影
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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遠くあれば姿は見えず常のごと 妹が笑まひは面影にして
- 次の歌
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玉桙の道に出で立ち別れ来し 日より思ふに忘る時なし