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草枕旅の悲しくあるなへに
妹を相見て後恋ひむかも

歌の意味
旅が悲しく思われるのに加えて、あの子に逢ってしまったので、後で恋しく思うことになるだろうか。
鑑賞
巻第十二 羇旅発思 3141

詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
 旅の悲しさに加えて、旅先で恋しい女に逢ってしまったので、後で恋しく思うことになるだろうと歌う。旅先での出会いがかえって別れのつらさを予感させている。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「草枕」は、「旅」にかかる枕詞である。
 二句「旅の悲しく」は、旅が悲しく、の意である。
 三句「あるなへに」は、あるのに加えて、の意である。
 四句「妹を相見て」は、あの子に逢って、の意で、旅先で出会った女をいう。
 結句「後恋ひむかも」は、後で恋しく思うことになるだろうか、の意で、本巻の第二千九百九十三首第三千百六十首と同じ結句である。

くさまくら:「旅」にかかる枕詞
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
はしきやししかある恋にもありしかも 君に後れて恋しき思へば
次の歌
国遠み直には逢はず夢にだに 我れに見えこそ逢はむ日までに