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国遠み直には逢はず夢にだに
我れに見えこそ逢はむ日までに

歌の意味
故郷が遠いので直接には逢えない。せめて夢の中だけでも私に見えてほしい。逢える日までは。
鑑賞
巻第十二 羇旅発思 3142

詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
 故郷が遠いので直接逢えない旅の身から、逢える日までせめて夢に現れてほしいと妻に願う歌である。本巻の前半に多く見られた夢を頼む恋の歌が、旅の歌として歌われている。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「国遠み」は、故郷が遠いので、の意である。本巻の第三千百七十八首も同じ初句で歌い出している。
 二句「直には逢はず」は、直接には逢えない、の意で、本巻の第二千八百五十首と同じ句である。ここで二句切れとなる。
 三句「夢にだに」は、せめて夢にだけでも、の意である。
 四句「我れに見えこそ」は、私に見えてほしい、の意である。
 結句「逢はむ日までに」は、逢える日までは、の意で、本巻の第二千八百五十四首第三千百八十八首と同じ結句である。

くに:故郷
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
草枕旅の悲しくあるなへに 妹を相見て後恋ひむかも
次の歌
かく恋ひむものと知りせば我妹子に 言問はましを今し悔しも