かく恋ひむものと知りせば我妹子に
言問はましを今し悔しも
- 歌の意味
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これほど恋しく思うものと知っていたなら、妻にもっと言葉をかけておけばよかった。今になって悔しい。
- 鑑賞
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巻第十二 羇旅発思 3143
詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
これほど恋しくなると知っていたなら、別れる前に妻ともっと言葉を交わしておけばよかったと、旅先で悔やむ歌である。本巻の第二千八百六十七首第三千三十八首と同じ発想で歌い出している。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「かく恋ひむ」は、これほど恋しく思う、の意である。
二句「ものと知りせば」は、ものと知っていたならば、の意で、四句の「まし」と呼応する反実仮想である。
三句「我妹子に」は、いとしい妻に、の意である。
四句「言問はましを」は、言葉をかけておけばよかったのに、の意で、ここで四句切れとなる。
結句「今し悔しも」は、今になって悔しい、の意で、「し」は強意である。
こととふ:言葉を交わす、話しかける
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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国遠み直には逢はず夢にだに 我れに見えこそ逢はむ日までに
- 次の歌
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旅の夜の久しくなればさ丹つらふ 紐解き放けず恋ふるこのころ