旅の夜の久しくなればさ丹つらふ
紐解き放けず恋ふるこのころ
- 歌の意味
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旅寝の夜が長く続くので、赤い紐も解き放つことなく、恋しく思うこのごろだ。
- 鑑賞
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巻第十二 羇旅発思 3144
詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
旅寝の夜が長く続き、衣の赤い紐も解かずに恋しく思うこのごろだと歌う。旅先で衣の紐も解かずに寝る日々に、妻への思いが重ねられている。ここから紐を詠む歌が続く。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「旅の夜の」は、旅先での夜が、の意である。
二句「久しくなれば」は、長く続くので、の意である。
三句「さ丹つらふ」は、赤く照り映える、の意で、「紐」にかかる枕詞である。
四句「紐解き放けず」は、紐を解き放つこともなく、の意で、本巻の第二千九百七十五首と同じ表現である。旅寝で衣の紐も解かずに寝ることをいう。
結句「恋ふるこのころ」は、恋しく思うこのごろだ、と体言止めで結んでいる。
さにつらふ:赤く照り映える、「紐」「妹」などにかかる枕詞
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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かく恋ひむものと知りせば我妹子に 言問はましを今し悔しも
- 次の歌
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我妹子し我を偲ふらし草枕 旅のまろ寝に下紐解けぬ