玉釧まき寝し妹を月も経ず
置きてや越えむこの山の崎
- 歌の意味
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腕に巻いて共に寝た妻を、ひと月も経たないうちに置いて、この山の崎を越えていくのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十二 羇旅発思 3148
詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
共に寝るようになってひと月も経たないうちに妻を置いて、山の崎を越えていかねばならない旅立ちの悲しみを歌う。目の前の山を指し示す結句に、今まさに別れて旅立つ場面の臨場感がある。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「玉釧」は、腕に巻くことから「まく」にかかる枕詞で、本巻の第二千八百六十五首と同じ初句である。
二句「まき寝し妹を」は、腕を枕にして共に寝た妻を、の意である。
三句「月も経ず」は、ひと月も経たないうちに、の意で、結ばれて間もないことを示す。
四句「置きてや越えむ」は、置いて越えていくのだろうか、の意で、「や」は疑問を表し、連体形「む」で結ぶ。
結句「この山の崎」は、この山の突き出た所を、の意で、体言止めにより、今まさに越えようとする山を指し示している。
たまくしろ:玉で飾った腕輪、「まく」にかかる枕詞
さき:山や陸地の突き出た所
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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草枕旅の紐解く家の妹し 我を待ちかねて嘆かふらしも
- 次の歌
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梓弓末は知らねど愛しみ 君にたぐひて山道越え来ぬ