玉かつま安倍島山の夕露に
旅寝えせめや長きこの夜を
- 歌の意味
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安倍島山の夕露に濡れながら、旅寝などできようか。この長い夜を。
- 鑑賞
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巻第十二 羇旅発思 3152
詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
安倍島山の夕露に濡れながら、長い夜を旅寝などできようかと、旅寝のつらさと孤独を歌う。露に濡れる旅寝の夜の長さが、ひとり寝の寂しさを強調している。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「玉かつま」は、籠の蓋と身が合うことから、「あふ」の音をもつ「安倍」にかかる枕詞である。本巻の第二千九百十六首第三千百九十三首にも同じ枕詞が見える。
二句「安倍島山の」は、安倍島山の、の意で、所在には諸説がある。
三句「夕露に」は、夕方の露に、の意である。
四句「旅寝えせめや」は、旅寝などできようか、の意の反語である。
結句「長きこの夜を」は、この長い夜を、の意で、倒置によって旅寝の夜の長さとつらさを強調している。
たびね:旅先で寝ること
ゆふつゆ:夕方の露
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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外のみに君を相見て木綿畳 手向けの山を明日か越え去なむ
- 次の歌
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み雪降る越の大山行き過ぎて いづれの日にか我が里を見む