悪木山木末ことごと明日よりは
靡きてありこそ妹があたり見む
- 歌の意味
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悪木山の梢よ、ことごとく、明日からは靡き伏していておくれ。妻の住むあたりを見よう。
- 鑑賞
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巻第十二 羇旅発思 3155
詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
旅立ちに際し、悪木山の木々の梢に、明日からは靡き伏して妻の住むあたりが見えるようにしてほしいと呼びかける歌である。山の木々に向かって願いをかける大胆な発想に、遠ざかる故郷への思いの強さが表れている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「悪木山」は、福岡県筑紫野市のあたりの山とされる。
二句「木末ことごと」は、梢がすべて、の意である。
三句「明日よりは」は、明日からは、の意である。
四句「靡きてありこそ」は、靡き伏していておくれ、の意で、「こそ」は願望を表す。ここで四句切れとなる。
結句「妹があたり見む」は、妻の住むあたりを見よう、の意で、山の木々に呼びかけて故郷の方角を見たいと願っている。
こぬれ:木の枝先、梢
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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いで我が駒早く行きこそ真土山 待つらむ妹を行きて早見む
- 次の歌
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鈴鹿川八十瀬渡りて誰がゆゑか 夜越えに越えむ妻もあらなくに