我妹子にまたも近江の安の川
安寐も寝ずに恋ひわたるかも
- 歌の意味
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いとしい妻にまた逢うという近江の安の川の名のように、安らかな眠りも眠らずに、恋い続けることだ。
- 鑑賞
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巻第十二 羇旅発思 3157
詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
近江の安の川を序として、妻を恋しく思って安らかに眠ることもできず恋い続けると歌う。「逢ふ」と「近江」、「安の川」と「安寐」と、地名に掛けた言葉の技巧が重ねられている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「我妹子に」は、いとしい妻に、の意である。
二句「またも近江の」は、またも「逢ふ」と地名の「近江」とを掛けている。
三句「安の川」は、滋賀県の野洲川で、ここまでが「やす」の音から「安寐」を導く序詞となる。
四句「安寐も寝ずに」は、安らかな眠りも眠らずに、の意である。
結句「恋ひわたるかも」は、恋い続けることだ、の意である。
やすい:安らかな眠り
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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鈴鹿川八十瀬渡りて誰がゆゑか 夜越えに越えむ妻もあらなくに
- 次の歌
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旅にありてものをぞ思ふ白波の 辺にも沖にも寄るとはなしに