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霍公鳥飛幡の浦にしく波の
しくしく君を見むよしもがも

歌の意味
飛幡の浦に繰り返し寄せる波のように、しきりにあなたに逢う手立てがあればよいのに。
鑑賞
巻第十二 羇旅発思 3165

詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
 飛幡の浦に繰り返し寄せる波を序として、しきりに恋人に逢う手立てがあればよいのにと願う歌である。繰り返し寄せる波の比喩で、たびたび逢いたいという思いを表している。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「霍公鳥」は、ほととぎすが飛ぶことから「飛幡」にかかる枕詞である。
 二句「飛幡の浦に」は、福岡県北九州市戸畑の浦に、の意である。
 三句「しく波の」は、繰り返し寄せる波のように、の意で、ここまでが「しくしく」を導く序詞となる。
 四句「しくしく君を」は、しきりにあなたを、の意である。
 結句「見むよしもがも」は、逢う手立てがあればよいのに、の意で、本巻の第三千五十一首の或本の結句と同じである。

しく:しきりに繰り返す
よし:手立て、方法
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
室の浦の瀬戸の崎なる鳴島の 礒越す波に濡れにけるかも
次の歌
我妹子を外のみや見む越の海の 子難の海の島ならなくに