能登の海に釣する海人の漁り火の
光りにいませ月待ちがてり
- 歌の意味
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能登の海で釣りをする海人の漁り火の光を頼りにおいでください。月の出を待ちながら。
- 鑑賞
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巻第十二 羇旅発思 3169
詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
能登の海の漁り火の光を頼りに、月の出を待つ間にもおいでくださいと、旅人を誘う女の歌である。月の出を待つ口実のもとに訪れを促す機知があり、旅先の遊行女婦の歌とする説もある。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「能登の海に」は、石川県の能登の海に、の意で、六音の字余りである。
二句「釣する海人の」は、釣りをする海人の、の意である。
三句「漁り火の」は、夜に魚を集めるために焚く火の、の意である。本巻の第三千百七十首も漁り火を詠んでいる。
四句「光りにいませ」は、その光を頼りにおいでください、の意で、ここで四句切れとなる。
結句「月待ちがてり」は、月の出を待ちながら、の意で、倒置によって訪れを促す口実を添えている。
いさりび:夜に魚を集めるために焚く火
います:おいでになる
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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衣手の真若の浦の真砂地 間なく時なし我が恋ふらくは
- 次の歌
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志賀の海人の釣りし燭せる漁り火の ほのかに妹を見むよしもがも