志賀の海人の釣りし燭せる漁り火の
ほのかに妹を見むよしもがも
- 歌の意味
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志賀の海人が釣りのために灯している漁り火のように、ほのかにでもあの子を見る手立てがあればよいのに。
- 鑑賞
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巻第十二 羇旅発思 3170
詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
志賀の海人の漁り火を序として、ほのかにでも恋人を見る手立てがあればよいのにと願う歌である。前歌に続いて漁り火を詠み、遠く海に揺れる灯の淡さに、かすかな逢瀬への願いを重ねている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「志賀の海人の」は、福岡市の志賀島の海人の、の意で、六音の字余りである。本巻の第三千百七十七首にも志賀の海人が詠まれている。
二句「釣りし燭せる」は、釣りのために灯している、の意である。
三句「漁り火の」は、漁り火のように、の意で、ここまでが「ほのかに」を導く序詞となる。
四句「ほのかに妹を」は、ほのかにでもあの子を、の意である。
結句「見むよしもがも」は、見る手立てがあればよいのに、の意で、本巻の第三千百六十五首と同じ結句である。
いさりび:夜に魚を集めるために焚く火
ともす:火を灯す
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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能登の海に釣する海人の漁り火の 光りにいませ月待ちがてり
- 次の歌
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難波潟漕ぎ出る舟のはろはろに 別れ来ぬれど忘れかねつも