浦廻漕ぐ熊野舟つきめづらしく
懸けて思はぬ月も日もなし
- 歌の意味
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浦を漕ぎめぐる熊野舟が着くのが珍しいように、いつも新鮮にいとしく、心にかけて思わない月も日もない。
- 鑑賞
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巻第十二 羇旅発思 3172
詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
浦を漕ぎめぐる熊野舟が着くのを珍しがるように、いつも新鮮にいとしく、月も日も心にかけて思っていると歌う。上二句のかかり方には諸説があるが、絶えず思い続ける心を月と日を並べて述べている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「浦廻漕ぐ」は、浦を漕ぎめぐる、の意である。
二句「熊野舟つき」は、紀伊の熊野で造られた舟が着く、の意で、ここまでが「めづらしく」を導く序詞とされるが、かかり方には諸説がある。
三句「めづらしく」は、新鮮にいとしく、の意である。
四句「懸けて思はぬ」は、心にかけて思わない、の意である。
結句「月も日もなし」は、月も日もない、の意で、絶えず思い続けていることを示している。
くまのぶね:紀伊の熊野で造られた舟
めづらし:愛すべきである、新鮮に感じる
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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難波潟漕ぎ出る舟のはろはろに 別れ来ぬれど忘れかねつも
- 次の歌
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松浦舟騒く堀江の水脈早み 楫取る間なく思ほゆるかも