松浦舟騒く堀江の水脈早み
楫取る間なく思ほゆるかも
- 歌の意味
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松浦舟が騒がしく行き交う堀江の水の流れが速いので、楫を取る手を休める間もないように、絶え間なくあの人が思われることだ。
- 鑑賞
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巻第十二 羇旅発思 3173
詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
松浦舟が行き交う堀江の速い流れに、楫を取る手を休める間もない情景を序として、絶え間なく恋人が思われると歌う。にぎわう港の活気ある情景が、休みない思いを印象づけている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「松浦舟」は、肥前の松浦で造られた舟をいう。
二句「騒く堀江の」は、舟が騒がしく行き交う難波の堀江の、の意である。本巻の第三千二十四首にも堀江が詠まれている。
三句「水脈早み」は、水の流れが速いので、の意である。
四句「楫取る間なく」は、楫を取る手を休める間もなく、の意で、ここまでが「間なく」を導く序詞となる。
結句「思ほゆるかも」は、自然と思われることだ、の意である。
かぢ:櫓や櫂など舟を漕ぐ道具
みを:水の流れる筋、水脈
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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浦廻漕ぐ熊野舟つきめづらしく 懸けて思はぬ月も日もなし
- 次の歌
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漁りする海人の楫音ゆくらかに 妹は心に乗りにけるかも