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草枕旅にし居れば刈り薦の
乱れて妹に恋ひぬ日はなし

歌の意味
旅に出ているので、刈り取った薦が乱れるように、心乱れてあの子を恋しく思わない日はない。
鑑賞
巻第十二 羇旅発思 3176

詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
 旅に出ていて、刈り取った薦が乱れるように心が乱れ、恋人を恋しく思わない日はないと歌う。旅の侘しさと恋の乱れとが重ねられている。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「草枕」は、「旅」にかかる枕詞である。
 二句「旅にし居れば」は、旅に出ているので、の意で、「し」は強意である。
 三句「刈り薦の」は、刈り取った薦が乱れることから「乱れ」にかかる枕詞である。
 四句「乱れて妹に」は、心乱れてあの子に、の意である。
 結句「恋ひぬ日はなし」は、恋しく思わない日はない、の意である。

かりこも:刈り取った薦、「乱る」にかかる枕詞
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
和歌の浦に袖さへ濡れて忘れ貝 拾へど妹は忘らえなくに
次の歌
志賀の海人の礒に刈り干すなのりその 名は告りてしを何か逢ひかたき