留まりにし人を思ふに秋津野に
居る白雲のやむ時もなし
- 歌の意味
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都に留まっている人を思うと、秋津野にかかる白雲のように、思いがやむ時もない。
- 鑑賞
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巻第十二 羇旅発思 3179
詞書は前の歌に続き「羇旅に思ひを発す」
都に留まっている人を思うと、秋津野にいつもかかる白雲のように思いがやむ時もないと歌う。羇旅発思の部を結ぶ歌で、旅先から故郷に残した人を思う心を述べている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「留まりにし」は、留まっている、の意で、旅に出ず故郷に残った人をいう。
二句「人を思ふに」は、その人を思うと、の意である。
三句「秋津野に」は、吉野の秋津野に、の意とされ、本巻の第三千六十五首にも詠まれている。
四句「居る白雲の」は、かかっている白雲のように、の意で、ここまでが「やむ時もなし」を導いている。
結句「やむ時もなし」は、やむ時もない、の意で、本巻の第二千八百七十八首と同じ結句である。
とまる:後に残る、留まる
ゐる:雲などがかかる
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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国遠み思ひなわびそ風の共 雲の行くごと言は通はむ
- 次の歌
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うらもなく去にし君ゆゑ朝な朝な もとなぞ恋ふる逢ふとはなけど