古典和歌stream

白栲の君が下紐我れさへに
今日結びてな逢はむ日のため

歌の意味
あなたの白い下紐を、私も一緒に今日結びましょう。また逢う日のために。
鑑賞
巻第十二 悲別歌 3181

詞書は前の歌に続き「別れを悲しぶる歌」
 旅立つ男の下紐を、再会の日のために自分も一緒に結ぼうと歌う女の歌である。別れの際に二人で紐を結び、再会まで解かないという習わしを踏まえている。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「白栲の」は、白い布の、の意で、「下紐」を修飾している。
 二句「君が下紐」は、あなたの下紐を、の意である。
 三句「我れさへに」は、私も一緒に、の意である。
 四句「今日結びてな」は、今日結びましょう、の意で、「な」は意志を表す。ここで四句切れとなる。
 結句「逢はむ日のため」は、また逢う日のために、の意で、本巻の第二千九百十九首の「ふたりして結びし紐」と同じ習わしを踏まえている。

したびも:下着の紐
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
うらもなく去にし君ゆゑ朝な朝な もとなぞ恋ふる逢ふとはなけど
次の歌
白栲の袖の別れは惜しけども 思ひ乱れて許しつるかも