まそ鏡手に取り持ちて見れど飽かぬ
君に後れて生けりともなし
- 歌の意味
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澄んだ鏡を手に取って見るように、いくら見ても見飽きないあなたに取り残されて、生きている心地もしない。
- 鑑賞
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巻第十二 悲別歌 3185
詞書は前の歌に続き「別れを悲しぶる歌」
鏡を手に取って見るように見飽きない相手に取り残され、生きている心地もしないと嘆く歌である。鏡の比喩で相手への愛着の深さを表し、別れの悲しみを強めている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「まそ鏡」は、よく澄んだ鏡で、「見る」を導いている。
二句「手に取り持ちて」は、手に取って、の意で、ここまでが「見れど飽かぬ」を導く序詞となる。
三句「見れど飽かぬ」は、いくら見ても見飽きない、の意で、六音の字余りである。
四句「君に後れて」は、あなたに取り残されて、の意で、本巻の第三千百四十首と同じ句である。
結句「生けりともなし」は、生きている心地もしない、の意で、本巻の第二千九百八十首第三千百七首と同じ結句である。
まそかがみ:よく澄んだ立派な鏡、「見る」などにかかる枕詞
おくる:取り残される、後に残る
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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草枕旅行く君を人目多み 袖振らずしてあまた悔しも
- 次の歌
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曇り夜のたどきも知らぬ山越えて います君をばいつとか待たむ