たたなづく青垣山の隔なりなば
しばしば君を言問はじかも
- 歌の意味
-
幾重にも重なる青い垣根のような山々が隔てたならば、たびたびあなたと言葉を交わすこともできなくなるだろうか。
- 鑑賞
-
巻第十二 悲別歌 3187
詞書は前の歌に続き「別れを悲しぶる歌」
幾重にも重なる青い山々に隔てられたら、たびたび言葉を交わすこともできなくなるだろうかと、別れを前に案じる歌である。重なる山々の情景が、二人の間の距離の大きさを印象づけている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「たたなづく」は、幾重にも重なる、の意で、「青垣山」にかかる。
二句「青垣山の」は、青い垣根のように連なる山の、の意である。
三句「隔なりなば」は、隔てたならば、の意である。
四句「しばしば君を」は、たびたびあなたと、の意である。
結句「言問はじかも」は、言葉を交わすこともできなくなるだろうか、の意である。
たたなづく:幾重にも重なる
へなる:隔たる
- 作者
-
作者未詳
- 出典
-
万葉集
- 前の歌
-
曇り夜のたどきも知らぬ山越えて います君をばいつとか待たむ
- 次の歌
-
朝霞たなびく山を越えて去なば 我れは恋ひむな逢はむ日までに