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朝霞たなびく山を越えて去なば
我れは恋ひむな逢はむ日までに

歌の意味
朝霞のたなびく山を越えて行ってしまったならば、私は恋しく思うだろう。また逢う日までは。
鑑賞
巻第十二 悲別歌 3188

詞書は前の歌に続き「別れを悲しぶる歌」
 朝霞のたなびく山を越えて相手が去ってしまえば、再会の日まで恋しく思うだろうと歌う女の歌である。旅立ちを前に、別れのあとの恋しさを先取りしている。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「朝霞」は、朝に立つ霞、の意である。
 二句「たなびく山を」は、たなびいている山を、の意である。
 三句「越えて去なば」は、越えて行ってしまったならば、の意で、六音の字余りである。
 四句「我れは恋ひむな」は、私は恋しく思うだろう、の意で、ここで四句切れとなる。本巻の第三千百九十首にも同じ句が見える。
 結句「逢はむ日までに」は、また逢う日までは、の意で、本巻の第二千八百五十四首第三千百四十二首と同じ結句である。

あさがすみ:朝に立つ霞
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
たたなづく青垣山の隔なりなば しばしば君を言問はじかも
次の歌
あしひきの山は百重に隠すとも 妹は忘れじ直に逢ふまでに