よしゑやし恋ひじとすれど木綿間山
越えにし君が思ほゆらくに
- 歌の意味
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ええもう、恋しく思うまいとするけれど、木綿間山を越えていったあなたのことが思われてならないのに。
- 鑑賞
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巻第十二 悲別歌 3191
詞書は前の歌に続き「別れを悲しぶる歌」
もう恋しく思うまいと思い切ろうとするが、木綿間山を越えていった相手のことが思われてならないと歌う。思い切ろうとする意志と、抑えきれない思いとの間で揺れる心が描かれている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「よしゑやし」は、ええもう、ままよ、と思い切る気持ちを表す感動詞で、本巻の第二千八百七十三首にも見える。
二句「恋ひじとすれど」は、恋しく思うまいとするけれど、の意である。
三句「木綿間山」は、所在の明らかでない山の名である。
四句「越えにし君が」は、越えていったあなたが、の意である。
結句「思ほゆらくに」は、思われてならないのに、の意で、思い切ろうとしても思い切れない心を示している。
よしゑやし:ええもう、ままよ、の意の感動詞
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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雲居なる海山越えてい行きなば 我れは恋ひむな後は逢ひぬとも
- 次の歌
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草蔭の荒藺の崎の笠島を 見つつか君が山道越ゆらむ