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磐城山直越え来ませ礒崎の
許奴美の浜に我れ立ち待たむ

歌の意味
磐城山をまっすぐに越えておいでください。礒崎の許奴美の浜で、私は立って待っていよう。
鑑賞
巻第十二 悲別歌 3195

詞書は前の歌に続き「別れを悲しぶる歌」
 磐城山をまっすぐに越えて帰ってきてほしい、許奴美の浜で立って待っていようと歌う女の歌である。浜に立って待つ姿に、帰りを待ちわびる心が表れている。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「磐城山」は、静岡県の山とされるが、所在には諸説がある。
 二句「直越え来ませ」は、まっすぐに越えておいでください、の意で、ここで二句切れとなる。
 三句「礒崎の」は、礒崎の、の意である。
 四句「許奴美の浜に」は、許奴美の浜で、の意で、静岡県の海岸とされる。
 結句「我れ立ち待たむ」は、私は立って待っていよう、の意である。

ただごえ:まっすぐに越えること
たちまつ:外に立って待つ
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
息の緒に我が思ふ君は鶏が鳴く 東の坂を今日か越ゆらむ
次の歌
春日野の浅茅が原に遅れ居て 時ぞともなし我が恋ふらくは