後れ居て恋ひつつあらずは田子の浦の
海人ならましを玉藻刈る刈る
- 歌の意味
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後に残って恋い続けているよりは、田子の浦の海人であればよかったのに。玉藻を刈りながら。
- 鑑賞
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巻第十二 悲別歌 3205
詞書は前の歌に続き「別れを悲しぶる歌」
後に残って恋い続けているよりは、旅先の田子の浦の海人になって玉藻を刈っていたいと歌う女の歌である。旅立った男のそばにいたいという願いを、旅先の海人になりたいと表している。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「後れ居て」は、後に残っていて、の意で、六音の字余りである。
二句「恋ひつつあらずは」は、恋い続けているよりは、の意で、本巻の第二千九百十三首と同じ形である。
三句「田子の浦の」は、静岡県の田子の浦の、の意で、六音の字余りである。
四句「海人ならましを」は、海人であればよかったのに、の意で、ここで四句切れとなる。
結句「玉藻刈る刈る」は、玉藻を刈りながら、の意で、動詞を重ねて動作の継続を表している。
たまも:藻の美称
あま:海人、漁をする人
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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玉葛幸くいまさね山菅の 思ひ乱れて恋ひつつ待たむ
- 次の歌
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筑紫道の荒礒の玉藻刈るとかも 君が久しく待てど来まさぬ