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十月雨間も置かず降りにせば
いづれの里の宿か借らまし

歌の意味
十月の雨が晴れ間もなく降り続いたならば、どこの里の宿を借りたらよいだろうか。
鑑賞
巻第十二 問答歌 3214

詞書は前の歌に続き「問答の歌」
 十月の雨が晴れ間もなく降り続いたら、どこの里で宿を借りたらよいだろうかと、前歌の問いに答える男の歌である。前歌と同じ初句で応じ、旅の心細さを述べている。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「十月」は、陰暦十月で、前歌と同じ初句である。
 二句「雨間も置かず」は、雨の晴れ間もなく、の意である。
 三句「降りにせば」は、降り続いたならば、の意で、結句の「まし」と呼応する反実仮想の条件である。
 四句「いづれの里の」は、どこの里の、の意である。
 結句「宿か借らまし」は、宿を借りたらよいだろうか、の意で、前歌の「宿か借るらむ」に答えている。

あまま:雨の晴れ間
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
十月しぐれの雨に濡れつつか 君が行くらむ宿か借るらむ
次の歌
白栲の袖の別れを難みして 荒津の浜に宿りするかも