草枕旅行く君を荒津まで
送りぞ来ぬる飽き足らねこそ
- 歌の意味
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旅立っていくあなたを、荒津まで見送ってきた。名残が尽きず満ち足りないからこそ。
- 鑑賞
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巻第十二 問答歌 3216
詞書は前の歌に続き「問答の歌」
旅立つ男を荒津まで見送ってきたのは、名残が尽きないからだと歌う女の歌である。前歌に答え、別れがたい思いを女の側から述べている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「草枕」は、「旅」にかかる枕詞である。
二句「旅行く君を」は、旅立っていくあなたを、の意で、本巻の第三千百八十四首と同じ句である。
三句「荒津まで」は、荒津まで、の意で、前歌の荒津を受けている。
四句「送りぞ来ぬる」は、見送ってきた、の意で、「ぞ」は連体形「ぬる」で結ぶ。ここで四句切れとなる。
結句「飽き足らねこそ」は、満ち足りないからこそ、の意で、言いさしの形で名残の尽きない思いを強調している。
あきだる:満ち足りる
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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白栲の袖の別れを難みして 荒津の浜に宿りするかも
- 次の歌
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荒津の海我れ幣奉り斎ひてむ 早帰りませ面変りせず