- 歌の意味
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荒津の海に私は幣を奉って身を慎み、無事を祈りましょう。早く帰ってきてください。面変わりもせずに。
- 鑑賞
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巻第十二 問答歌 3217
詞書は前の歌に続き「問答の歌」
荒津の海に幣を奉って無事を祈ろう、面変わりもせずに早く帰ってきてほしいと、旅立つ男に呼びかける女の歌である。次歌の男の答えと一組の問答をなしている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「荒津の海」は、荒津の海に、の意で、仮名の行では「あらつのうみ」と読む六音の字余りである。
二句「我れ幣奉り」は、私は幣を奉って、の意である。
三句「斎ひてむ」は、身を慎んで無事を祈ろう、の意で、ここで三句切れとなる。本巻の第二千九百七十五首にも「斎ひて待てど」とある。
四句「早帰りませ」は、早く帰ってきてください、の意で、ここで四句切れとなる。
結句「面変りせず」は、面変わりもせずに、の意で、旅の苦労でやつれることなく無事に帰ってほしいと願っている。
ぬさ:神に供える麻や木綿などの供え物
いはふ:身を清め慎む
おもがはり:顔つきが変わること、やつれること
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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草枕旅行く君を荒津まで 送りぞ来ぬる飽き足らねこそ
- 次の歌
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朝な朝な筑紫の方を出で見つつ 音のみぞ我が泣くいたもすべなみ