朝な朝な筑紫の方を出で見つつ
音のみぞ我が泣くいたもすべなみ
- 歌の意味
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毎朝毎朝、筑紫の方を外に出て眺めながら、私は声をあげて泣くばかりだ。どうしようもなくて。
- 鑑賞
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巻第十二 問答歌 3218
詞書は前の歌に続き「問答の歌」
都に帰った男が、毎朝筑紫の方を眺めては、残してきた女を思って声をあげて泣くと歌う歌である。前歌の女の呼びかけに対し、別れたのちの男の嘆きが述べられている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「朝な朝な」は、毎朝毎朝、の意で、本巻の第三千四十一首第三千百八十首と同じ初句である。
二句「筑紫の方を」は、筑紫の方を、の意で、別れてきた女のいる方角をいう。
三句「出で見つつ」は、外に出て眺めながら、の意である。
四句「音のみぞ我が泣く」は、声をあげて泣くばかりだ、の意で、八音の字余りである。ここで四句切れとなる。
結句「いたもすべなみ」は、まったくどうしようもないので、の意で、本巻の第二千九百二首の「いたもすべなし」と同じ語である。
ねになく:声をあげて泣く
つくし:筑紫、九州
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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荒津の海我れ幣奉り斎ひてむ 早帰りませ面変りせず
- 次の歌
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豊国の企救の長浜行き暮らし 日の暮れゆけば妹をしぞ思ふ