斎串立てみわ据ゑ奉る祝部が
うずの玉かげ見ればともしも
- 歌の意味
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斎串を立て、神酒の甕を据えてお供えする祝部たちの、髪に挿したうずの玉かげを見ると、心ひかれることだ。
- 鑑賞
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巻第十三 雑歌 3229
詞書は前の歌に続き「反歌」
長歌(第三千二百二十七首)に続く二首目の反歌である。神祭りに奉仕する祝部たちの姿を、髪飾りの「うず」と「玉かげ」に焦点を当てて描き、その清らかさに心ひかれると詠む。左注に「右三首、但し或る書にはこの短歌一首は載せていない」とあり、この歌は或る書には見えない歌である。前歌が杉に託して永遠の思いを誓ったのに対し、本歌は祭りの場に立つ人の姿へ視線を移している。
作者は未詳である。巻第十三は作者名を記さない長歌とその反歌を中心に編まれた巻で、古い歌謡や儀礼の歌の面影を伝える歌が多い。
初句「斎串立て」の「斎串」は、神事に用いる清めた串で、榊や竹に幣を付けて立てたものとされる。
二句「みわ据ゑ奉る」の「みわ」は神に供える酒、またそれを入れる甕のことで、三輪山の名とも通う語である。「奉る」は謙譲の補助動詞で、神への奉仕を表す。
三句「祝部が」の「祝部」は神に仕えて祭祀を行う人々で、格助詞「が」は「の」と同じく連体修飾の働きをする。
四句「うずの玉かげ」の「うず」は髪や冠に挿す飾り、「玉かげ」は玉のように美しい髪飾りで、日陰の蔓とする説もある。
結句「見ればともしも」の「ともし」は、心ひかれる、うらやましいの意で、終助詞「も」が詠嘆を添える。
いぐし:神事に用いる清めた串
みわ:神に供える酒、またその酒を入れる甕
はふり:神に仕えて祭祀を行う人
うず:髪や冠に挿す飾り
たまかげ:玉のように美しい髪飾り、日陰の蔓とする説もある
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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神なびの三諸の山に斎ふ杉 思ひ過ぎめや苔生すまでに
- 次の歌
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月は日は変らひぬとも久に経る 三諸の山の離宮ところ