ひさかたの都を置きて草枕
旅行く君をいつとか待たむ
- 歌の意味
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都をあとに残して旅に出て行くあなたを、いつ帰ると思って待てばよいのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十三 相聞 3252
詞書は前の歌に続き「反歌」
前の反歌に続く一首である。都を離れて旅立つ人を見送り、その帰りをいつと定めて待てばよいのかと嘆く。長歌(第三千二百五十首)の「末つひに君に逢はずは」という不安が、旅立つ人を前にした具体的な別れの場面へと移っている。結句「いつとか待たむ」は本巻の第三千三百二十一首にも同じ形で見え、旅立つ人を見送る女の歌に共通する結びである。
作者は未詳である。巻第十三は作者名を記さない長歌とその反歌を中心に編まれた巻で、古い歌謡や儀礼の歌の面影を伝える歌が多い。
初句「ひさかたの」は、本来「天」「空」などにかかる枕詞で、ここでは都を天のように仰ぐ心から「都」にかけたとされる珍しい用法である。
二句「都を置きて」は、都をあとに残しての意で、住み慣れた所を離れる別れを表す。
三句「草枕」は「旅」にかかる枕詞で、草を枕に野宿する旅のつらさを思わせる。
四句「旅行く君を」は、旅立って行くあなたをの意で、見送る側の視点から相手を名指す。
結句「いつとか待たむ」の「か」は疑問の係助詞で、「む」が連体形で結ぶ係り結びである。「いつと思って待とうか」と、帰る日の見えない不安を示す。本巻の第三千三百二十一首と同じ結句である。
くさまくら:草を結んで枕とすること、旅寝のこと
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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大船の思ひ頼める君ゆゑに 尽す心は惜しけくもなし
- 次の歌
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磯城島の大和の国は言霊の 助くる国ぞま幸くありこそ