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瑞垣の久しき時ゆ恋すれば
我が帯緩ふ朝宵ごとに

歌の意味
久しい時からずっと恋し続けているので、私の帯は朝ごと夕ごとに緩んでいく。
鑑賞
巻第十三 相聞 3262

詞書「或本の反歌に曰く」
 長歌(第三千二百六十首)に対して或る本が伝える反歌である。長く恋い続けたために身がやせ、朝夕ごとに帯が緩んでいくと詠む。恋にやつれて帯が緩むという発想は、唐代の小説『遊仙窟』の表現に学んだものとされ、本巻の第三千二百七十三首の「常の帯を三重結ぶべく我が身はなりぬ」とも通う。
 作者は未詳である。巻第十三は作者名を記さない長歌とその反歌を中心に編まれた巻で、古い歌謡や儀礼の歌の面影を伝える歌が多い。

 初句「瑞垣の」は、神社の垣根が古くから続くことから「久し」にかかる枕詞である。
 二句「久しき時ゆ」の「ゆ」は起点を表す格助詞で、長い時からずっとの意である。
 三句「恋すれば」は、恋しているのでの意で、已然形に「ば」が付いた確定条件である。
 四句「我が帯緩ふ」は、私の帯が緩むの意で、恋にやせ細った身体を帯の緩みで具体的に示し、ここで句切れとなる。
 結句「朝宵ごとに」は、朝ごと夕ごとにの意で、倒置によって日々やつれていく様を強調する。

みづかき:神社などの周りに巡らした垣根
ゆるふ:緩む、ゆるくなる
出典
万葉集
前の歌
思ひ遣るすべのたづきも今はなし 君に逢はずて年の経ぬれば
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年渡るまでにも人はありといふを いつの間にぞも我が恋ひにける