寐も寝ずに我が思ふ君はいづくへに
今夜誰れとか待てど来まさぬ
- 歌の意味
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眠りもしないで私が思い続けているあなたは、どこへ行って、今夜は誰と一緒にいるのか。待っていてもいらっしゃらない。
- 鑑賞
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巻第十三 相聞 3277
詞書「反歌」
長歌(第三千二百七十六首)の反歌である。眠らずに待つ相手が来ないことに、どこで誰と夜を過ごしているのかと疑いを抱く。長歌は、愛しい夫と語らう間もなく別れて来た女が、道行く人に問われても答えようがなく、山から出る月を待つと言いつくろって君を待つ姿を歌う。反歌は待ち続ける夜の不安と嫉妬をあらわにしている。本巻の第三千二百六十九首にも「寐も寝」の表現が見え、眠れぬ夜を共通の主題とする。
作者は未詳である。巻第十三は作者名を記さない長歌とその反歌を中心に編まれた巻で、古い歌謡や儀礼の歌の面影を伝える歌が多い。
初句「寐も寝ずに」は、眠りもしないでの意で、「寐」と「寝」を重ねて眠れない夜の長さを強調する。
二句「我が思ふ君は」は、私が思い慕うあなたはの意で、待つ相手を名指す。
三句「いづくへに」は、どこへの意で、相手の行方を問う疑問を示す。
四句「今夜誰れとか」の「か」は疑問の係助詞で、今夜は誰と一緒なのかという疑いを表す。
結句「待てど来まさぬ」は、待っていてもいらっしゃらないの意で、「来ます」は「来」の尊敬語である。「か」の結びとして打消の「ず」が連体形「ぬ」となる。
い:眠ること、眠り
- 出典
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万葉集
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ひとり寝る夜を数へむと思へども 恋の繁きに心どもなし
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葦垣の末かき分けて君越ゆと 人にな告げそ事はたな知れ