杖つきもつかずも我れは行かめども
君が来まさむ道の知らなく
- 歌の意味
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杖をついてでも、つかなくても、私は迎えに行きたいけれども、あなたがお帰りになる道がわからないことだ。
- 鑑賞
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巻第十三 問答 3319
詞書「反歌」
問答の長歌(第三千三百十八首)の反歌である。杖をついてでも、つかずにでも迎えに行きたいが、夫の帰って来る道がわからないと嘆く。長歌は、紀伊の国の浜に鰒玉を拾いに行くと言って妹の山、背の山を越えて行った夫の帰りを夕占に問うと、白玉を求めているので遅れている、七日か二日ほどで帰るから恋しがるなと告げられたと歌う。反歌は占いの答えを得ても待ちきれない思いを、迎えに出たい気持ちとして示している。
作者は未詳である。巻第十三は作者名を記さない長歌とその反歌を中心に編まれた巻で、古い歌謡や儀礼の歌の面影を伝える歌が多い。
初句「杖つきも」は、杖をついてでもの意で、老いや疲れをいとわず出かける覚悟を表す。
二句「つかずも我れは」は、杖をつかなくてもの意で、初句と並べて、どんなありさまでも行こうと言う。
三句「行かめども」は、行こうと思うけれどもの意で、「め」は意志の「む」の已然形、「ども」は逆接である。
四句「君が来まさむ」は、あなたがおいでになるであろうの意で、「来ます」は尊敬語、「む」は推量で、次の「道」を修飾する。
結句「道の知らなく」の「知らなく」は打消の「ず」のク語法で、「道がわからないことよ」と嘆いて結ぶ。
ゆふうら:夕方に道に立ち、行き交う人の言葉で吉凶を占うこと
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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馬買はば妹徒歩ならむよしゑやし 石は踏むとも我はふたり行かむ
- 次の歌
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直に行かずこゆ巨勢道から石瀬踏み 求めぞ我が来し恋ひてすべなみ