たはことか人の言ひつる玉の緒の
長くと君は言ひてしものを
- 歌の意味
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でたらめを人は言ったのだろうか。命長くと、あなたは言っていたのに。
- 鑑賞
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巻第十三 挽歌 3334
詞書「反歌」
長歌(第三千三百三十三首)の反歌である。夫の死の知らせをでたらめではないかと疑い、命長く生きると言っていた夫の言葉を思い返す。長歌は、大君の命を受けて難波の御津から船出した夫の帰りを、占いをして身を慎んで待っていたのに、夫が筑紫の山の黄葉のように散ってしまったと人が告げたと歌う妻の挽歌である。反歌は長歌の「たはことか人の言ひつる」をそのまま初句二句に置き、信じたくない思いを繰り返している。
作者は未詳である。巻第十三は作者名を記さない長歌とその反歌を中心に編まれた巻で、古い歌謡や儀礼の歌の面影を伝える歌が多い。
初句「たはことか」の「たはこと」は、でたらめ、うわごとの意で、係助詞「か」が二句に係る。
二句「人の言ひつる」は、人が言ったのかの意で、「か」の結びとして完了の「つ」が連体形「つる」となる係り結びである。長歌の同じ句を受けて、ここで句切れとなる。
三句「玉の緒の」は、玉を貫く緒の意で、命のたとえとして「長く」を導く枕詞として働く。
四句「長くと君は」は、命長くとあなたはの意で、生前の夫の言葉を引く。
結句「言ひてしものを」の「ものを」は逆接の詠嘆で、「言っていたのに」と、裏切られた約束を嘆いて結ぶ。
たはこと:でたらめ、ばかげた言葉
たまのを:玉を貫き通す緒、命のたとえ
- 出典
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万葉集
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衣手葦毛の馬のいなく声 心あれかも常ゆ異に鳴く
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母父も妻も子どもも高々に 来むと待ちけむ人の悲しさ