あしひきの山道は行かむ風吹けば
波の塞ふる海道は行かじ
- 歌の意味
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山道を行くことにしよう。風が吹けば波が行く手をさえぎる海の道は行くまい。
- 鑑賞
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巻第十三 挽歌 3338
詞書は前の歌に続き「反歌」
前の反歌に続く一首である。旅の死者を見て、風が吹けば波が行く手をふさぐ海の道は行かず、山道を行こうと決める。長歌(第三千三百三十五首)の「とゐ波の塞ふる道を」を受け、海で命を落とした人の運命を見て、自らの旅路を選び直す思いを詠む。山と海、行くと行かじを対にした構成が明快である。
作者は未詳である。巻第十三は作者名を記さない長歌とその反歌を中心に編まれた巻で、古い歌謡や儀礼の歌の面影を伝える歌が多い。
初句「あしひきの」は「山」にかかる枕詞である。
二句「山道は行かむ」は、山道を行こうの意で、意志の「む」で決意を示し、ここで句切れとなる。
三句「風吹けば」は、風が吹くとの意で、已然形に「ば」が付いて、そうなると決まってという恒常的な条件を表す。
四句「波の塞ふる」の「塞ふ」は、さえぎる、ふさぐの意で、長歌の「とゐ波の塞ふる道を」を受ける。
結句「海道は行かじ」は、海の道は行くまいの意で、打消意志の「じ」が二句の「行かむ」と対をなす。
ささふ:さえぎる、ふさぐ
うみぢ:海の道、船旅の道
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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母父も妻も子どもも高々に 来むと待ちけむ人の悲しさ
- 次の歌
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母父も妻も子どもも高々に 来むと待つらむ人の悲しさ