- 歌の意味
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この旅の日々の中で妻と離れて、家への道を思うと、生きている心地もしない。
- 鑑賞
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巻第十三 挽歌 3347
詞書「反歌」
長歌(第三千三百四十六首)の反歌である。旅の途中で妻を失い、家路を思うと生きている心地もしないと嘆く。長歌は、見たいと思うのは雲居に見える麗しい鳥羽の松原であり、子どもたちよ、さあ出て見ようと誘いながら、離すならば国にいる時に離せ、家にいる時に離せと、旅の日に妻を奪った天地の神を恨む歌である。反歌は長歌の結び「この旅の日に妻放くべしや」を受けて、絶望の深さで結ぶ。左注に、或る本では二句を「旅の日にして」とするとある。
作者は未詳である。巻第十三は作者名を記さない長歌とその反歌を中心に編まれた巻で、古い歌謡や儀礼の歌の面影を伝える歌が多い。
初句「草枕」は「旅」にかかる枕詞である。
二句「この旅の日に」の「日」は「け」と読み、日々の意である。長歌の結びと同じ句を受ける。或る本ではこの句を「旅の日にして」とする。
三句「妻離り」は、妻と離れての意で、妻が亡くなったことを遠回しに表す。
四句「家道思ふに」は、家への道を思うとの意で、妻のいない家へ帰る道を思い浮かべる。
結句「生けるすべなし」は、生きている手立てもないの意で、本巻の第三千二百九十七首の長歌の結びと同じ句であり、深い絶望を表して結ぶ。
け:日々、日数
さかる:離れる、遠ざかる
- 出典
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万葉集
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葦辺行く雁の翼を見るごとに 君が帯ばしし投矢し思ほゆ
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夏麻引く海上潟の沖つ洲に 船は留めむさ夜更けにけり