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武蔵野に占部肩焼きまさでにも
告らぬ君が名占に出にけり

歌の意味
武蔵野で占い師が鹿の肩骨を焼いて占うと、はっきりとは口にしなかったあなたの名が、占いに出てしまった。
鑑賞
巻第十四 東歌 3374

詞書は前の歌に続き「相聞」
 武蔵野で鹿の肩骨を焼いて占わせたところ、決して口にしなかった恋人の名がはっきりと占いに現れてしまったという女性の歌である。秘めた恋が占いによって明らかになる驚きと恥じらいが表されている。
 武蔵国歌の一首である。鹿の肩骨を焼いてひびの形で吉凶を占う太占(ふとまに)の風習を伝える歌として知られる。
 作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。

 初句「武蔵野に」は武蔵国の広い野で、武蔵国歌では「武蔵野」が繰り返し詠まれる。
 二句「占部肩焼き」の「占部」は占いを職とする人、「肩焼き」は鹿の肩骨を焼くことである。
 三句「まさでにも」の「まさでに」ははっきりとの意である。本巻の第三千五百二十一首にも同じ語が見える。
 四句「告らぬ君が名」は決して口にしなかったあなたの名をいう。名を秘めることは恋の作法であった。
 結句「占に出にけり」の「出にけり」は占いに表れてしまったの意で、「にけり」は完了と詠嘆である。

うらへ:占いを職とする人
かたやく:鹿の肩骨を焼いて占う
まさでに:はっきりと
出典
万葉集
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多摩川にさらす手作りさらさらに なにぞこの子のここだ愛しき
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武蔵野のをぐきが雉立ち別れ 去にし宵より背ろに逢はなふよ