馬来田の嶺ろの笹葉の露霜の
濡れて我来なば汝は恋ふばぞも
- 歌の意味
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馬来田の峰の笹の葉の露や霜に濡れながら私が来てしまったら、お前は恋しく思うだろうよ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3382
詞書は前の歌に続き「相聞」
馬来田の山の笹の葉に置く露霜に濡れながら旅立って行ったら、残されたお前は恋しがるだろうと思いやる歌である。冷たい露霜に濡れる旅の辛さと、別れを惜しむ情とが重なっている。
左注に「右二首上総国歌」とある。馬来田は上総国望陀郡で、現在の千葉県木更津市付近とされる。次歌とともに「馬来田の」で始まる二首一組である。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「馬来田の」は上総国の地名で、次歌も同じ初句で始まる。
二句「嶺ろの笹葉の」の「嶺ろ」は峰の東国方言で、そこに生える笹の葉をいう。
三句「露霜の」は露と霜で、初句からここまでが「濡れて」を導く序詞となる。
四句「濡れて我来なば」の「なば」は仮定で、濡れながら私が来てしまったらの意である。
結句「汝は恋ふばぞも」の「恋ふばぞも」は「恋ひむぞも」の東国方言とされ、恋しがるだろうよと推量して結ぶ。
うまぐた:上総国の地名。現在の木更津市付近
つゆしも:露と霜
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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夏麻引く宇奈比をさして飛ぶ鳥の 至らむとぞよ我が下延へし
- 次の歌
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馬来田の嶺ろに隠り居かくだにも 国の遠かば汝が目欲りせむ