馬来田の嶺ろに隠り居かくだにも
国の遠かば汝が目欲りせむ
- 歌の意味
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馬来田の峰に隠れているようなこれくらいでも、国が遠くなったならば、ますますお前に逢いたくなるだろう。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3383
詞書は前の歌に続き「相聞」
馬来田の山に隠れてふるさとが見えなくなっただけでこれほど恋しいのだから、国がもっと遠くなればいっそうお前に逢いたくなるだろうという旅人の歌である。旅の始まりの切なさと、これからの別れの長さへの予感が表されている。
左注に「右二首上総国歌」とあり、上総国歌の二首目である。前歌と一組で、前歌が残される者の恋しさを思いやるのに対し、本歌は旅立つ者自身の恋しさを詠む。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「馬来田の」は前歌と同じ初句で、上総国の地名を示す。
二句「嶺ろに隠り居」の「隠り居」は山に隠れていることで、ふるさとが山の陰になったことをいう。
三句「かくだにも」の「かくだにも」はこのようにさえもの意で、今でさえこれほど恋しいことを示す。
四句「国の遠かば」の「遠かば」は「遠くあらば」の東国方言で、国が遠くなったならばの意である。
結句「汝が目欲りせむ」の「目欲り」は逢いたいと願うこと、「む」は推量である。
かくりゐ:隠れていること
めほる:逢いたいと願う
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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馬来田の嶺ろの笹葉の露霜の 濡れて我来なば汝は恋ふばぞも
- 次の歌
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葛飾の真間の手児名をまことかも 我れに寄すとふ真間の手児名を