小筑波の嶺ろに月立し間夜は
さはだなりぬをまた寝てむかも
- 歌の意味
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筑波山の峰に新しい月が立ち、逢わなかった夜はたくさん重なってしまったが、また共寝をしたいものだ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3395
詞書は前の歌に続き「相聞」
筑波山の峰に新しい月が昇るまでに、逢わない夜が積み重なってしまったが、また共寝をしたいと願う歌である。月の満ち欠けで逢えない日の長さを示し、再会を待ちわびる気持ちが表されている。
常陸国歌の一首で、前歌に続き「小筑波」を詠む。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「小筑波の」は前歌の「小筑波嶺ろ」に続き、同じ山を愛称で呼ぶ。
二句「嶺ろに月立し」の「月立し」は月が立った、新月が出たことをいう。一月が経ったことを示す。
三句「間夜は」の「間夜」は逢わずに隔てた夜をいう。五音の中に「あひだよ」と字足らず気味に収める句である。
四句「さはだなりぬを」の「さはだ」はたくさんの意の東国語で、伎倍の歌第三千三百五十四首にも見える。「を」は逆接である。
結句「また寝てむかも」の「てむ」は強い意志、「かも」は願望をこめた詠嘆である。
つくたつ:月が立つ。新月が出る
あひだよ:逢わずに隔てた夜
さはだ:たくさんの意の東国語
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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さ衣の小筑波嶺ろの山の崎 忘ら来ばこそ汝を懸けなはめ
- 次の歌
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小筑波の茂き木の間よ立つ鳥の 目ゆか汝を見むさ寝ざらなくに