小筑波の茂き木の間よ立つ鳥の
目ゆか汝を見むさ寝ざらなくに
- 歌の意味
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筑波山の茂った木の間から飛び立つ鳥のように、ちらりと目で見るだけでお前を見ることになるのだろうか。共寝をしなかったわけではないのに。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3396
詞書は前の歌に続き「相聞」
筑波山の茂った木々の間から飛び立つ鳥のように、ちらりと目にするだけで別れて行くのだろうか、共寝をした仲なのに、と別れを惜しむ歌である。一瞬で去る鳥の姿に、名残惜しい心が重なっている。
常陸国歌の一首で、第三千三百九十四首から三首続く「小筑波」の歌の最後である。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「小筑波の」は三首目の「小筑波」で、同じ山を舞台にした歌が続く。
二句「茂き木の間よ」の「よ」は経由を表し、茂った木の間を通っての意である。
三句「立つ鳥の」は飛び立つ鳥で、初句からここまでが「目」を導く序詞となる。
四句「目ゆか汝を見む」の「目ゆ」は目で見るだけでの意、「か」は疑問で「む」と呼応する。
結句「さ寝ざらなくに」の「ざらなくに」は二重否定で、共寝しなかったわけではないのにの意である。
このま:木と木の間
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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小筑波の嶺ろに月立し間夜は さはだなりぬをまた寝てむかも
- 次の歌
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常陸なる浪逆の海の玉藻こそ 引けば絶えすれあどか絶えせむ