常陸なる浪逆の海の玉藻こそ
引けば絶えすれあどか絶えせむ
- 歌の意味
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常陸の浪逆の海の玉藻こそ、引けば切れもしよう。しかし私たちの仲がどうして絶えようか。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3397
詞書は前の歌に続き「相聞」
常陸の浪逆の海の藻は引けば切れもするが、二人の仲はどうして絶えるだろうかとうたう歌である。藻と恋の仲とを対比させ、絶えることのない思いを強く示している。
左注に「右十首常陸国歌」とあり、常陸国歌の最後の一首である。浪逆の海は現在の茨城県の北浦や霞ヶ浦の一部とされる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「常陸なる」の「なる」は所在を示す。国名で始まり、常陸国歌十首を結ぶ。
二句「浪逆の海の」は常陸国の内海で、北浦や外浪逆浦のあたりとされる。
三句「玉藻こそ」は美しい藻で、「こそ」は係助詞である。四句の已然形「すれ」と呼応する。
四句「引けば絶えすれ」は引けば切れもするの意で、「こそ」の結びとして已然形で切れ、逆接的に下へ続く。
結句「あどか絶えせむ」の「あど」はどうしての意の東国方言、「か」は反語で、どうして絶えようかと結ぶ。
なさかのうみ:常陸国の内海。北浦付近とされる
たまも:美しい藻
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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小筑波の茂き木の間よ立つ鳥の 目ゆか汝を見むさ寝ざらなくに
- 次の歌
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人皆の言は絶ゆとも埴科の 石井の手児が言な絶えそね