信濃道は今の墾り道刈りばねに
足踏ましなむ沓はけ我が背
- 歌の意味
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信濃路は新しく切り開いた道です。切り株に足を踏みつけてしまうでしょう。沓をはいてください、あなた。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3399
詞書は前の歌に続き「相聞」
新しく開かれたばかりの信濃路は切り株が残っていて危ないから、足を傷めないよう沓をはいて行ってほしいと夫を気づかう女性の歌である。旅立つ夫への細やかな思いやりが、具体的な言葉で表されている。
信濃国歌の一首である。大宝二年に美濃と信濃を結ぶ吉蘇路(木曽路)が開かれたことが続日本紀に見え、本歌の「今の墾り道」はその道とする説がある。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「信濃道は」は信濃国へ通じる道をいう。「しなぬ」は信濃の古い呼び方である。
二句「今の墾り道」の「墾り道」は新しく切り開いた道で、二句切れである。
三句「刈りばねに」の「刈りばね」は木や竹を刈った後の切り株をいう。
四句「足踏ましなむ」の「なむ」は強い推量で、踏んでしまうだろうという。三句から四句で危うさを示す。
結句「沓はけ我が背」の「はけ」は命令で、「我が背」は夫への呼びかけである。倒置的に呼びかけて結ぶ。
はりみち:新しく切り開いた道
かりばね:木や竹を刈った後の切り株
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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人皆の言は絶ゆとも埴科の 石井の手児が言な絶えそね
- 次の歌
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信濃なる千曲の川のさざれ石も 君し踏みてば玉と拾はむ