新田山嶺にはつかなな我に寄そり
はしなる子らしあやに愛しも
- 歌の意味
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新田山がほかの峰とは連ならないように、私と噂を立てられて中途半端な立場にいるあの子が、たまらなくいとしい。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3408
詞書は前の歌に続き「相聞」
新田山がほかの峰とつながらず孤立しているように、私との噂を立てられて身の置きどころのない娘が、たまらなくいとしいとうたう歌である。噂によって苦しい立場に置かれた恋人への同情といとしさが表されている。
上野国歌の一首である。新田山は現在の群馬県太田市の金山とされ、平野の中に孤立した山である。本巻の第三千四百三十六首にも「小新田山」が詠まれる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「新田山」は上野国の新田郡の山で、太田市の金山とされる。
二句「嶺にはつかなな」の「つかなな」は「つかない」の東国方言で、ほかの峰と連ならないことをいう。初句と二句が序詞となる。
三句「我に寄そり」の「寄そり」は噂で結びつけられることで、第三千三百八十四首の「我れに寄すとふ」と同じ発想である。
四句「はしなる子らし」の「はし」は中途半端の意で、どっちつかずの立場にいる娘をいう。
結句「あやに愛しも」の「あやに」は無性に、「愛しも」はいとしいことよの意である。
つかなな:「つかない」の東国方言
よそる:噂で結びつけられる
はし:中途半端、どっちつかず
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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上つ毛野まぐはしまとに朝日さし まきらはしもなありつつ見れば
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伊香保ろに天雲い継ぎかぬまづく 人とおたはふいざ寝しめとら