利根川の川瀬も知らず直渡り
波にあふのす逢へる君かも
- 歌の意味
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利根川の浅瀬も知らずにまっすぐ渡って、思いがけず波に出あうように、ふいに出逢ったあなたであることよ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3413
詞書は前の歌に続き「相聞」
利根川の浅瀬も知らずにまっすぐ渡って波に出くわすように、思いがけず出逢った恋人だとうたう女性の歌である。偶然の出逢いの驚きと、それが運命的な恋となった喜びが表されている。
上野国歌の一首である。利根川は上野国から流れ出る坂東太郎とも呼ばれた大河で、本歌はその名の見える古い例として知られる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「利根川の」は上野から流れ出る大河である。上野国歌に利根川の名が現れる。
二句「川瀬も知らず」は浅瀬の場所も知らずにの意で、危うい渡河をいう。
三句「直渡り」の「直渡り」はまっすぐに渡ることで、迷わず進むさまを示す。
四句「波にあふのす」の「のす」は「なす」の東国方言で、のようにの意である。初句からここまでが序詞である。
結句「逢へる君かも」の「かも」は詠嘆で、出逢ったあなたであることよと結ぶ。
かはせ:川の浅瀬
ただわたり:まっすぐに渡ること
のす:「なす」の東国方言で、のように
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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上つ毛野久路保の嶺ろの葛葉がた 愛しけ子らにいや離り来も
- 次の歌
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伊香保ろのやさかのゐでに立つ虹の 現はろまでもさ寝をさ寝てば